細貝です。
どんなことでも終わったことは
「そんなことあったっけ・・・?」
って感じであっさり忘れてしまうけど、途中のことは
「そういえば、こんなことあったよなー」
って感じで意外と覚えていることってよくありますよね。
これは、ツァイガルニク効果という心理効果で
簡単にいえば、途中のことほど、記憶に残りやすく気になる効果なのですが、
実は、それを知っているのはもったいないと言わざる得ません。
と言うのも、裏を返せば気になると言うことにもなり、
その本質を活用すれば恋愛、勉強、仕事でもはたまたマーケティングでも、
普通に質のいい成果が得られる可能性が高いからです。
そこで、今回はツァイガルニク効果の詳細と、
結果につなげやすい活用法を紹介していこうかなと思います。
記事の概要
ツァイガルニク効果とはどんな効果?
まあ最初に、ツァイガルニク効果と聞いても、
正直何のことか全くわからないかもしれません。
でも、それも仕方ないことでツァイガルニク効果は
実のところ発見した人名から決められています。
と言うのは、ドイツのゲシュタルト心理学のクルト・レブィンそして
それに、基づきリトアニア出身のブルーマ・ツァイガルニクが
心理学実験を行い、実験的に示しました。
そこから分かったことは、
目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶は、
完了課題についての記憶に比べて想起されやすい。
・・・なのですが、ぶっちゃけ分かりにくいと思うので、
簡単に言うと、人は達成できなかったことや中断していることの方が、
達成できたことより覚えていると言うことです。
つまり、中途半端に終わった事柄に対して記憶に残りやすくなる現象のこと。
うまく利用すれば、知りたい内容や興味の対象を一旦止めることで、
より強く気になってしまうことや最後までやり遂げたい気持ちが生まれ、
集中力が高くなるとも言えますね。
ツァイガルニク効果とは何かを実証した心理学実験内容と実例
実際、ツァイガルニク効果が確かなものであることを実証するために
二つのグループに別れて、簡単な作業やパズルを解く課題を行って、
その後に何をしたか?という質問をするという実証実験を行いました。
具体的には、下記の2つのグループに分かれてもらって、
Aグループ:最後まで課題を完了してから次の課題に取り組む
Bグループ:途中で課題の邪魔をされ、中断してから次の課題に取り組む
上記A,Bグループの全ての課題が終わった時に、
それぞれのグループ対して、
「どんな課題があったか?」質問することにしたんですよね。
すると、結果としてAよりBグループの方が、
やった課題を倍の数だけ答えられるという結果に終わります。
つまり、物事を完了させるよりも、中断された方が記憶力は向上することが
実証されたワケで、これがツァイガルニク効果です。
まあ、もっと身近な例としては連続ドラマや失恋などが挙げられます。
例えば、連続ドラマやアニメとも、1話ごとの終わりが
謎を残したままだったら、次が気になりますよね。
その上で、次回予告なんてされたら、
次が気になって気になってしょうがありません(笑)
これこそまさに、ツァイガルニク効果を効果的に活用していると言えます。
また、恋愛の側面から見ても、別れてしまった相手に未練が残ってしまって、
なかなか忘れられないし、次の恋に進めないなんて良くある話ですが、
これも、ツァイガルニク効果の影響です。
つまり、自分が期待し、関係性を継続したかった恋愛が、
未完成のまま終わりを告げてしまい、中途半端な状態なので、
強く記憶が残ってしまっているワケですね。
ただ、マイナス面でしか使えないのかと言うとそんなこともありません。
このような中途半端な状態だからこそ、
人は気になり、場合によっては魅力を感じることもあります。

だからこそ、毎回のデートを大満足させるのではなく、
ある程度満足させるけど、少し物足りない感じにしたり、
一気に距離を詰めるのではなく、少しずつ相手との距離を詰めていったりする
恋愛テクニックが生まれたりするんですよね。
もちろん、元々気がある人だからこそ有効なわけで、
何もない人にやったら、ただの勘違い野郎なので注意は必要ですが(笑)
それと、言うなれば中途半端の魅力は、
何も人間関係に限った話ではありません。
ビジネスや勉強の作業をあえて中途半端に終わらせることで
気になる精神を生かして、翌日にも緊張感を残し、
さらに集中力を持って実践することも可能です。
要するに、ツァイガルニク効果をプラスに活用するのも、
マイナスに活用するのにも、あなた次第ということになりますね。
ツァイガルニク効果によって仕事や勉強の効率アップにつながる
前章で紹介した通り、ツァイガルニク効果は、
多少のストレスをかけた中途半端を利用して、
気になってしまう感情により集中力を持続させたり、
魅力を感じさせたりする効果でしたが、
うまく活用すれば、仕事や勉強の効率アップにも使えたりします。
(1) 仕事、勉強の作業時間を短時間に細かく設定する
意外と勉強や仕事というと、量をやろうとして、
長時間作業してしまいがちですが、ツァイガルニク効果を考えると、
あらかじめ作業時間を決めておき、
一定時間で作業を強制中断させることも有効だったりします。
もちろん、強制中断させたら、
後の時間は休憩時間なのは言うまでもありません。
なぜなら、細かく休憩を挟むことで疲労がたまりにくくなり、
ツァイガルニク効果の続きの気になる特性を活用すれば、
集中力も途切れない状態で、休憩もできるからです。

もちろん、休憩といってもそんな5分とか10分の話ではなく、
しっかり1時間くらいは取った方がいいとは思いますね。
5分とか10分では結局のところ、
あとでやればいいと言う甘えが出て来かねませんから。
だからこそ、あえてキリの悪いところで終わらせると、
作業のことが強く記憶に残り、どうするかを自然と考えることにつながるので
次に始めた時も、スムーズに取り組め、
結果的に業務の生産性が上がることにもつながるということ。
実際、長時間作業しても、脳みそが疲れ、疲労がたまり、
質の悪い仕事になって、もちろんそれもストレスにもなり、
効率が悪いことも少なくありませんよね。
そんな疲れもストレスもたまるし、ミスも増えてしまうような
質の悪い作業になりかねない長時間作業するよりも、
ツァイガルニク効果を利用し、途中で強制終了させて休憩することで、
スムーズに疲労やストレスを感じないまま、緊張感を持続させて再開できます。
なので、ツァイガルニク効果も考えると、
短時間集中作業が実践した方が、良質な結果が増えてやすいと言うことです。
ただし、使い方によってはかえって集中できず、
仕事や勉強などにも悪影響が出てしまいかねません。
と言うのも、勘違いして欲しくないのは、
あくまで一つの作業を中途半端にしてもいいから、
短時間集中作業を増やしていった方がいいと言っていることです。
つまり、いくらツァイガルニク効果で中途半端が集中につながるといっても、
同時並行で複数の作業をやりすぎるのは、
自身の集中や緊張がそれぞれの作業に分散されて、かえって集中できないと言うこと。
もちろん、どれくらいの作業を並行してやると、
自身の作業に影響が出てしまうかは人のキャパシティによって違うので、
確たることは言えません。
ですが、ツァイガルニク効果を活用して、勉強、仕事で失敗しないためには
同時並行で多数の中途半端な作業をするよりも、
一つのもしくは少数の作業に集中して、中途半端にしつつ作業した方がいいと言う
ある意味おかしなことをしていくと言うことです(笑)
もちろん、実際の仕事や勉強の状況から言って、
一つの作業だけをやるのは難しいとは思いますが、
短時間集中作業をやっていくなら、
並行作業するのはなるべく少なくした方がいいと言うのは間違いありません。
なので、なるべく毎日実践する仕事や勉強の作業の内容自体は、
短時間集中作業で中途半端でも、何も問題ないですが
その数、幅までも中途半端にせず、
一つ一つ達成していくのを意識した方がいいことになります。
(2) サイトやブロク記事では、最後と詳細を知りたいようにする
先にツァイガルニク効果が仕事や勉強の作業効率化に
役立つことをお伝えしましたが、別に作業効率化だけでなくとも、
ネットも関係なく、人と関わる仕事なら活用できたりします。
例えば、今読んでいるブログやサイトの記事の場合であっても、
ツァイガルニク効果を活用し、続きが気になるようにするのは有効です。
(もちろんサイトに限らずメルマガも同様)
つまり、記事では一つのテーマで読者の悩みを解決するよう、
完結させるのはもちろんですが、それだけではなく、
最後のまとめでもいいですから、加えて知っておくと、
読み手にとっても効果的な関連した話題を紹介していきます。
実際、しっかり読者の悩みを解決できる状態の記事であれば
さらに効果を高めると分かれば、
関連記事にも普通に興味を持ってもらえますよね。
(もちろん、関連した記事がないなら無理に紹介しないほうがいいです。)
やっぱり、ユーザーに関連記事へと訪問してもらうのは、
情報発信しているあなたにも興味を持ってもらえる機会が増えますし、
サイトの滞在時間も増えますので、SEO的にもいいこと尽くめなので、
できるなら、極力やった方がいいのは間違いありません。
ただし、露骨にあおりすぎては、
「こっちが目的なのかよ・・・」
って感じでむしろなえてしまいます。
なので、関係ないものは論外ですし、
あくまで自然に見てみたいと思わせられるかが大切です。
なお、関連記事へのリンクはまた文末だけでなく、
その途中だけにも入れておくと無駄がありません。
また、ツァイガルニク効果を利用するなら、
記事タイトルやその前書きにもあえて虫食いの状態を作り、
盛り上げ、気になるようにするのも有効になります。
つまり、最初のタイトルや前書きの段階で部分的に明らかにし、
疑問があえて残すようにするということです。
なぜかと言うと、いくらすごいことを言っても、
最初に気にならなければ、正しく伝えても、
全く、気にもとめられないのが少なくありませんから。

例えば、いきなり、
「実は、月に文明があったんです!」
と言われても、困惑してしまいますが、
「あれだけ、長年研究者が文明の痕跡を見つかけられなかったのに今回ついに・・・」
とも言われれば、嫌でも、「え・・・!?」って気になってしまいますよね。
まあ、そう言うことです(笑)
ツァイガルニク効果による多少のストレスはビジネスにも活用できる
前章で紹介した通り、中途半端なものこそ、
記憶に残って気になるツァイガルニク効果は、
それゆえに緊張感を保ち、集中力を向上させるのに使えるので、
仕事や勉強でも使い方によっては活用できることを紹介しました。
しかし、単に気になるだけでなく、同時に魅力を感じることもあるのが、
このツァイガルニク効果であるのは否定できません。
なので、ビジネスに使えば、大きな成果も出る可能性があり、
十分活用できたりします。
(1) 無料で質の良いコンテンツをあえて使ってもらう
ツァイガルニク効果をビジネスで活用する際、
代表的とも言っていいマーケティング戦略はとりあえずお試し戦略ですね。
つまり、最初の何かのコンテンツや商品を無料で提供し、使ってもらうことで、
その後に「続きを知りたい!」「もっと活用したい!」
と言う思いを引き出し、ユーザーに対して、
あなたが目的としている行動をしてもらうと言うこと。

例えば、ネットでも無料のプレゼントを見にする機会も少なくないですし、
テレビのテレフォンショッピングでも、
「無料お試しキットが・・・」
なんて話はよく見ますし、聞きますよね(笑)
もちろん、単に商品を購入してもらうだけでなく、
自分のメルマガに登録してもらうなど、
そのあなたが目的としている行動は幅広く設定できます。
ただし、もちろん無料で渡すからこそ、質の高いものを提供し、
「無料なのに、こんなものまで・・・!」
って言わせるくらいの質のコンテンツじゃないと、
続きを見たいというツァイガルニク効果は薄くなるので注意は必要です。
まあ、それに無料なのにいいコンテンツや商品を渡されると、
自然と恩義を感じてしまいがちなので、そういう効果もあったりしますね。
(2) 申し込みや購入のランディングページ(LP)は選択肢を狭める
(1) では、あえて無料で良質のコンテンツを渡して、
コンテンツ自体は単品で完結し、中途半端ではないけど、
あなたの他のコンテンツ気になる効果として、
ツァイガルニク効果を活用しました。
ですが、前章の無料コンテンツを渡した次のマーケティングの段階として、
有料の場合、実際の商品の申し込みや、購入、
無料の場合、あなたのメルマガなどの登録という
次の段階に進んでいく場合が大半でしょう。
まあ、もちろん相手の人生を本気でよりよくして行きたいからこそ、
新たな可能性として、無料の商品やコンテンツを渡すのですが、
マーケティングという戦略も考える以上、何かしらの目的はあるワケです。
そこで、無料コンテンツを渡し、ツァイガルニク効果で気になってもらったところで、
商品の販売やメルマガなどのサービスの登録として使うのがランディングページ(LP)、
ネットで購入したことがある人はわかるかもしれませんが、
購入や登録を促す、縦長になりがちなページですね。
ただ、そのランディングページ(LP)は、
目的以外の選択肢、中途半端は排除していくのが重要。
つまり、目的がコンテンツの販売だったら、
例えそれ以外の手法があったとしても、
申し込みを行うネットのランディングページ(LP)に、
極力思い浮かばないと言うか選択肢にならないよう、排除していく必要があります。
なぜなら、ツァイガルニク効果は逆を言えば、
少しでも他に中途半端な選択肢があると、そちらが気になってしまうからです。
「じゃあ、こっちの手法の場合はどうなんだろう?」ってね。

それでは、ツァイガルニク効果により、
読者の思いや気が逸れて、気になってしまい、
商品の成約率やサービスの登録などにも影響してしまいます。
だからこそ、目的のコンテンツ販売ページ(LP)等では、
あたかも、解決法が販売もしくは紹介するコンテンツ以外はない
もしくは遠回りであるかのように紹介するのがベストです。
とは言え、当然それだけではなく何故そうなのかを
理論的に納得できるよう説明しないといけませんが。
まあ、ただ言えばいいというわけではないのは注意する必要はありますね。
(3) コンテンツのベネフィット(利点)を語り、概要を説明する
(2)のようにツァイガルニク効果を意識して、コンテンツを販売・紹介する場合、
ベネフィット(コンテンツの利点)や長所はもちろん解説しますが、
詳細な内容を細かく話すよりも、なるべく概要を話して、
全体像を把握してもらうことを重視した方が良かったりします。
つまり、期待感や詳細な内容を気になるようにさせるということです。
なぜなら、ツァイガルニク効果を活用して
気になってもらう状況を作るなら、ある程度は全体を知ってもらわないと、
よく分からないので、気にもなりません。
とは言え、これはあくまで前のコンテンツを紹介するまでの
ストーリーやコンテンツがしっかりとしたものである必要はあります。
つまり、どんなコンテンツの紹介でも有効と言うワケではなく、
あくまで、あらかじめ盛り上げた時に活用すると有効と言うことです。
なので、ツァイガルニク効果は
あくまで繋げるテクニックと考え、過信はしすぎるべきではありませんね。
ツァイガルニク効果による少しストレスをかける恋愛術
中途半端で気にかけたり、魅力を感じたりするツァイガルニク効果は、
仕事や勉強、ビジネスなどの方面で利用できると思ってしまいがちですが、
意外とその本質を知っていれば、そんな真面目方面だけでなく、
恋愛にも活用できたりします(笑)
と言うのも、ツァイガルニク効果はある程度満足させて、魅力を見せ
もっと知りたいと思ってもらうことで起こる心理現象です。
なので、デートはもちろん電話、Lineなどの直接会わない会話でも
相手に大満足させないようにするのも一つの手だと言う発想に至るわけですね。
つまり、付き合いに少し空腹感を感じさせることで、
「知りたい」と思わせ、次のデートの約束に応じやすくなります。
と言うことは、もっと知りたいと言う感情を生まれさせるために
相手に未完成の感情を与えることが重要なので、
あえて、自分の情報を小出しにするのが有効なのも否定できませんね。
ただし、一つ一つの接触で満腹と言わないまでも、
7割8割程度の満足感はもちろん必要ですので、
真面目に考えて付き合い、多少不足があるくらいが調度いいとは思います。
あえて一気に距離を詰めないよう多少ストレスをかけ、
簡単に段階を進ませず、少しずつ満足させていく恋愛、
ツァイガルニク効果を理解すると、そんな恋愛でも意外と有効と言うことです。
ツァイガルニク効果によるマーケティング、勉強などへの活用法まとめ
それでは今回は、中途半端にこそ、
記憶に残り、気になりやすかったり、魅力を感じたりする
心理的な効果としてツァイガルニク効果を紹介しましたが、
その幅広い活用法は以下の通りでした。
ツァイガルニク効果の勉強、仕事への活用
→記憶力の向上、及び緊張感を持続できる短時間集中作業
→ブログやサイトの記事は、タイトルや前書きで内容を多少語り、
文末には関連記事へのリンクをつける
ツァイガルニク効果のマーケティングへの活用
→次のコンテンツへの期待感を感じさせる無料プレゼント、
→販売ページや登録ページで気が逸れないよう選択肢を狭める
→販売ページや登録ページでは詳細よりも先が気になる全体像を語る
ツァイガルニク効果の恋愛への活用
→デートでも少し物足りなさを感じさせながら、少しずつ距離をつめていく
このようにツァイガルニク効果は多少のストレスをかけますから、
やりすぎは禁物ですが、マーケティングにも勉強にも、作業にも
大きな成果も期待できるので、活用してみてくださいね。
あなたの求める人生に近くなる一歩にはなると思います。
それでは今日はこの辺で・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。